最後に損をするのはあなた!知らずに「違法民泊」を始めるリスク

最近では、民泊という言葉の認知が拡がり、インターネット上には多くの関連情報が公開され、それらは簡単に得ることができる。しかし、全ての情報が正しいわけではなく、とりわけ民泊においては、民泊仕様の法律が定められていないため、様々な人たちがそれぞれの独自解釈を行い、どれが正解なのかを判別することは容易ではない。

民泊は、インターネットサイトを使って見知らぬ宿泊者を募り、有料で宿泊施設として部屋を提供する行為であり、これは旅館業に該当し、旅館業の営業許可を取る必要がある。当然、無許可での営業は違法であり、過去には民泊の無許可営業により逮捕された事例もある。

本稿では、民泊を始める前に誤った情報を信用してしまい、危うく逮捕される可能性があった元民泊ホストを紹介し、民泊ビジネスに関する情報収集の重要性を理解してもらえればと思う。

「これ民泊OKの物件ですよ」の嘘

2016年2月、民泊が儲かるらしい、との噂を耳にしたBさんは民泊物件を探すためインターネットで情報を検索し、渋谷にある仲介会社を見つける。そこで紹介されたのは、4件。「どれもオーナーと付き合いが長く、僕たちにだけ情報を公開してくれているんです」とのこと。いくつかある物件の中で最も契約金額が安かった板橋区の物件が気になり、内見を済まして契約することを決めた。

最初の月は赤字になったそうだが、その後は順調に売り上げを伸ばしたのだという。そして、10月になり、宿泊中のゲストから「日本人が二人で訪問してきて、いくつか質問されたけどよく分からなかった。二人があなたに連絡すると言ってるよ。」と連絡が入った。

ゲストからの連絡があった翌日に部屋に訪問すると下記のようなビラが投函されていた。

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訪問した二人は保健所の職員だったようで、ビラの内容を確認すると、ここでは民泊をしてはいけないという規則なのだと理解した。

Bさんは、すぐに物件を仲介した担当者へ電話をするも、「担当者が退職してしまったので、契約書を確認して折り返します」と言われ、連絡を待つことに。間もなく仲介会社から連絡が入り、Bさんは想定していなかった事実を知る。

「契約書を確認しましたが、今回は居住用で契約をさせて頂いています。転貸を許可するような文言や、民泊利用を許諾する文言は含まれていません。今回の件は、他住民から管理会社へクレームが入り、管理会社さんから保健所へ連絡されたようです。利用が契約外の内容になりますので、違約金が発生する可能性があるとのことです。」

なぜこんなことが起こるのか?

この件については、仲介担当者が民泊利用が許諾されているかのように偽り、Bさんがそれを鵜呑みにし、かつ契約書の確認を怠ってしまい起こった案件。

そんなことって有り得る?と思われるかもしれないが、新興産業においては、このような事業者が少なく無いので十分に注意が必要だ。民泊を始める前に、十分に情報収集を行い、リスクを精査しておきたい。

トラブルに巻き込まれないために注意すべきこと

今回のケースについて、どのように防ぐ方法があるのかについてまとめておくと、以下のポイントを確実に抑えておくと良いだろう。

「民泊利用可能」の定義について確認する

・オーナー、管理組合、管理会社、どこまで民泊を許諾しているのか?
・建物は旅館業(や特区民泊)の要件を満たしているのか?
・要件を満たせるようにリフォームしても良いのか?
など

契約書に民泊利用に関する文言を明記する

・利用目的(民泊利用、宿泊サイトへの掲載など)
・リフォーム(実施可否、修繕の必要有無、その費用負担など)
・特区民泊の規約(7日より前の解約不可など)
など

違法民泊のリスクを取るのは、全て当事者であるホストだけ。信頼ができる事業者かどうかを見極めるには、旅館業、特区民泊、民泊新法などの法周りの情報を収集しておきたい。