民泊の中のひと vol.2 「”民泊ポリス” 株式会社オスカー 代表取締役 中込元伸氏」

share,beでは民泊の見える化を目指し、「中の人」への取材を通して、民泊をより身近にイメージできるよう情報を発信していく。今回は第2弾、違法民泊の通報、住所特定、パトロールなど違法民泊の是正に向けたサービス「民泊ポリス」を展開する株式会社オスカーの代表取締役 中込元伸氏に話を伺った。

日本での民泊は90%以上が違法民泊と言われており、それらを要因としたトラブルに関するニュースが日に日に大きくなっている現在において、彼らが目指す先、現場の実態について話を伺った。

民泊ポリスとは

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サービス内容

民泊ポリスとは、迷惑民泊からオーナーの資産や近隣住民を守ることを目的とし、違法民泊物件の住所特定・提供、違法民泊の通報受付などを行うことができるWEBサイト。他にも、迷惑民泊に対する苦情やトラブル情報をサイトで公開し、民泊ホストへの適切な運営を促している。

迷惑行為、トラブルの実態

下記、民泊ポリスで公開されている苦情内容を抜粋したもの。セキュリティへの不安、夜中の騒音や異臭への苦情などが多数寄せられ、近隣住民がどれだけ違法民泊から迷惑を被っているのかを知ることができる。

・頻繁に夜中までベランダに出て大声で喋っているのが迷惑しています。このマンションでの民泊は違反ですが、スーツケースを持った色んな国の人が大勢でエントランスに居たりするので、セキュリティにも不安を感じています。

・早朝や夜中の廊下で大人数のしゃべり声、入口付近へのゴミの不法投棄、夜中の部屋の中の騒音、管理会社に連絡するも対応なし。

・汚物が玄関前に置き去りになっている時もあり、なぜこんな場所に家賃を払っているのかバカらしくなる。

民泊ポリスを始めたきっかけ

Q:民泊ポリスを始めたきっかけは?

「私が住んでいたマンションで民泊が運営されていたのですが、ゴミがひどかったんですよね。明らかに爆買いした後だろうなという感じで、何十個も空き箱とかが捨てられていたりしました。それもあって、民泊ポリスのサービスアイデアに至りました。合法か違法かというより、迷惑な民泊を是正していきたいと考えています。法律は当然守るべきなのですが、時代によって変化していくものなので、極論で言えば迷惑をかけずに健全に運営してもらえればそれで良いかなと思っています。」

違法民泊、迷惑民泊を無くすために必要なものとは

Q:通報された違法民泊は撤退につながっているのでしょうか?

「撤退につながるケースは、現状ではまだあまり多くないですね。撤退へと持っていくためには、保健所との協力関係も必要なのですが、サービス開始当初は非協力的な保健所もあり、苦戦しました。積極的に協力して頂ける区もあれば、邪険に扱われることもあり、本当に区によって異なりますね。
今は、データベースにして住所参照ができるよう機能を追加し、引っ越したい先の住所を参照すれば、そこの民泊運営有無を確認できるようにしています。」

Q:違法民泊を無くすために必要なものとは

「民泊新法の180日規制は不要かなと思っています。上限を設けてしまったら、余計に合法的に進めようとする人が少なくなり、違法が横行することになってしまう。そうではなく、できる限り民泊許認可の敷居は下げてしまう。その上で、どこの誰が運営しているのかという情報を公開し、苦情の窓口を明示するなどして迷惑民泊を抑止すればよい。どのホストも当然、合法で運営したいと思っているはずなんですよね。それでも違法を続けるのは、合法化することにメリットが少な過ぎるんですよね。」

今後、目指す先

Q:今後、民泊ポリスが目指す先とは

「契約しようとしているマンションが民泊をやっているかどうか、この情報は重要説明事項に加えられてもいいくらいだと思っています。私たちは、知る権利を守ってあげたい。知っていれば、そこに住まなければ良いっていう選択ができますが、知らなければその選択機会すら与えられない。ゲストのみんなが悪いわけではないでしょうが、やはり出入りする人が増えれば、確率論的にもリスクは増えていきますしね。
弊社では、独自のシステムとノウハウにより、現在は約15,000件の違法民泊を特定することができています。これら違法民泊情報の特定数を拡大していき、違法民泊の全てをデータベース化していきたいなと思っています。」

最後に

“知る権利”、”重要説明事項に加えられてもいいくらい”、この言葉は民泊ポリスを運営する中込氏の視点を表す特徴的な言葉のように感じた。民泊は不動産の利回り改善ができる優良な商品として注目を集め、多くの投資家が民泊を始めるようになった。当然、彼ら投資家自身が主体で管理運営するのではない。第三者に管理運営を委託し、不労所得を得ている。空いた資産の有効活用は非常に素晴らしいスキームだと感じる一方で、管理運営の質を現在よりも改善していかなければならないと中込氏の話を通して強く感じた。ホスピタリティの低い管理運営は、他者に大きな精神的、物理的な苦痛を与え得るものなのだということを念頭に置き、民泊の管理運営を高いホスピタリティを持って行うことができれば、今よりも民泊が日本で受け入れられるのではないだろうか。

取材協力:株式会社オスカー 代表取締役社長 中込元伸氏
民泊ポリス(https://minpaku-police.com/