「民泊」はビジネス・事業として成り立つか、収益性を見る

 

日本におけるAirbnbのリスティング(物件)掲載数が4万件を突破し、昨年からの民泊市場の拡大が継続している。
下記のグラフは東京都内のAirbnbリスティング掲載数を示している。青の棒グラフが掲載数を、赤の折れ線グラフが当月新規掲載数を指す。

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昨年8月から今年の7月までの1年間で東京における民泊物件数は7,000件近く増加した。民泊を始める理由として、英語学習、異文化交流なども挙げられるが、やはり最も多いのは副業やビジネスとしての参入ではないだろうか。

民泊新法の施行を見据え、事業として民泊に取り組もうと計画している事業者の話をよく耳にする。彼らの関心事は民泊新法がどのようなルールとなるか、そして民泊ビジネスの収益性と市場成長見込みだ。

本稿では、民泊ビジネスの収益性を見ていこう。

 

部屋タイプ別売上はどれくらいか?

収容人数 平均稼働率 平均宿泊料金/泊 平均収益額
1~2 69.16% 5,826円 120,886円
3~4 71.88% 8,151円 175,787円
5~6 70.48% 10,835円 229,107円
7~ 67.39% 16,819円 340,037円

これは収容人数別に稼働率、月間売上をまとめたもの。
収容人数を上げれば1日の売上額は上がる。しかし大人数を対象とする部屋はターゲットとなる顧客層が少ないのではないかと懸念する人が多い。実は、収容人数が4人未満の部屋数は、5人以上の部屋に比べ2.2倍も多いため、大人数を対象とする部屋はターゲットのパイは小さいがライバルが少ないため、稼働率を下げずに1泊売上を上げることができるのだ。

 

部屋タイプ別ランニングコストはどの程度か

市区町村 1R/1K/1DK 1LDK/2K/2DK 2LDK/3K/3DK 3LDK/4K/4DK
千代田区 ¥110,700 ¥182,100 ¥248,600 ¥290,900
中央区 ¥107,300 ¥164,900 ¥233,000 ¥267,000
港区 ¥118,500 ¥217,700 ¥308,200 ¥347,700
新宿区 ¥90,400 ¥167,900 ¥224,000 ¥254,900
文京区 ¥90,400 ¥147,700 ¥187,500 ¥212,100
台東区 ¥93,300 ¥136,900 ¥180,900 ¥189,300
墨田区 ¥81,100 ¥119,800 ¥147,600 ¥174,400
江東区 ¥89,700 ¥134,100 ¥191,800 ¥205,600
品川区 ¥88,000 ¥149,200 ¥202,600 ¥231,800
目黒区 ¥95,900 ¥159,900 ¥212,000 ¥239,100
大田区 ¥76,700 ¥113,600 ¥144,700 ¥178,300
世田谷区 ¥79,600 ¥129,700 ¥164,100 ¥213,200
渋谷区 ¥102,400 ¥195,500 ¥253,200 ¥272,600
中野区 ¥77,100 ¥120,300 ¥159,900 ¥167,500
杉並区 ¥75,000 ¥115,400 ¥139,900 ¥195,200
豊島区 ¥78,600 ¥124,400 ¥172,800 ¥224,200
北区 ¥73,700 ¥115,400 ¥143,100 ¥154,800
荒川区 ¥75,800 ¥113,700 ¥138,300 ¥157,300
板橋区 ¥69,200 ¥97,200 ¥113,900 ¥143,500
練馬区 ¥67,900 ¥97,600 ¥118,000 ¥137,700
足立区 ¥64,700 ¥85,200 ¥101,400 ¥117,900
葛飾区 ¥62,100 ¥83,800 ¥106,800 ¥126,300
江戸川区 ¥65,000 ¥90,600 ¥114,400 ¥138,300
八王子市 ¥49,500 ¥73,000 ¥85,100 ¥100,000
立川市 ¥60,100 ¥85,300 ¥90,500 ¥115,400
武蔵野市 ¥74,500 ¥119,800 ¥157,800 ¥200,600
三鷹市 ¥72,300 ¥111,200 ¥144,400 ¥175,400
青梅市 ¥48,200 ¥57,300 ¥64,500 ¥79,800
府中市 ¥59,600 ¥86,300 ¥109,200 ¥134,300
昭島市 ¥54,900 ¥71,600 ¥82,600 ¥98,800
調布市 ¥63,400 ¥96,000 ¥118,700 ¥142,000
町田市 ¥55,900 ¥80,800 ¥97,900 ¥124,400
小金井市 ¥61,700 ¥96,500 ¥124,900 ¥141,700
小平市 ¥50,700 ¥79,800 ¥102,900 ¥118,200
日野市 ¥49,400 ¥75,700 ¥88,400 ¥107,400
東村山市 ¥48,800 ¥68,700 ¥83,900 ¥95,200
国分寺市 ¥57,100 ¥88,900 ¥117,000 ¥139,300
国立市 ¥57,100 ¥85,100 ¥110,600 ¥130,100
福生市 ¥52,500 ¥64,800 ¥75,000 ¥85,000
狛江市 ¥60,600 ¥94,400 ¥115,900 ¥148,400
東大和市 ¥54,200 ¥67,900 ¥81,500 ¥107,200
清瀬市 ¥52,800 ¥71,200 ¥92,200 ¥102,700
東久留米市 ¥50,700 ¥75,900 ¥94,700 ¥115,100
武蔵村山市 ¥49,400 ¥65,200 ¥81,600
多摩市 ¥51,600 ¥79,000 ¥100,600 ¥118,900
稲城市 ¥50,500 ¥83,800 ¥100,300 ¥103,100
羽村市 ¥45,400 ¥63,700 ¥72,100 ¥89,100
あきる野市 ¥45,200 ¥54,200 ¥69,200 ¥76,200
西東京市 ¥57,900 ¥81,700 ¥100,000 ¥116,800

(データ参照:HOMES

HOMESに掲載されている部屋間取別の家賃相場をまとめたものだ。
このデータを参考に収益性を確認していこう。

例えば、特区民泊が施行されている大田区ではどうだろうか。

収容人数 平均収益額 家賃 雑費 粗利
1~2 ¥120,886 ¥76,700 ¥10,000 ¥34,186
3~4 ¥175,787 ¥113,600 ¥10,000 ¥52,187
5~6 ¥229,107 ¥144,700 ¥15,000 ¥69,407
7~ ¥340,037 ¥178,300 ¥20,000 ¥141,737

大田区で民泊を行った場合、7名以上収容物件で月間¥141,737が粗利として残る。

これは、運営を全て自社、ご自身で行った場合の数値であり、英語での問い合わせ対応や清掃作業などを外注するとなると売上(平均収益額)の20%~30%を依頼した業者が差し引くことになるので注意が必要。

民泊といえば小さなマンションの1室を貸し出すイメージが強い。

しかし、過去に別記事「神奈川・江ノ島の夏は民泊も熱い!」でも紹介したように、収容人数20人と大きい箱で月間80万近くの売上をあげるホストも出てきている。法人が事業として取り組むのであれば、この形が最も効率的なのではないだろうか。