空室を民泊へシフトし安定収益を目指す

バブル期が終わりに近づいた1990年代前半、アパートやマンションの建設ラッシュが起きた。現在、築20年以上の古い建物がそれにあたり、これらの物件価値は大幅に下がり、空室が埋まらず頭を悩ませるオーナーが続出している。

 

オーナーの税負担増と利回り低下

2014年の7月末に総務省統計局が発表した「2013年における重役・土地統計調査の速報集計結果」によると、住宅全体の空き家率は13.5%と過去最高を更新しているという。

しかし、一方で2016年においても地価は全国的に上昇の動きが広がっている。2020年に東京オリンピックを控える東京では特にこの動きが顕著に見られ、都心の地価は上昇基調が続く。

地価の上昇をうけ、土地の固定資産税評価額も高くなり、オーナーにのしかかる税金は増え、益々負担が重くなる。空室が埋まらず、税金はあがる、つまり利回りがどんどん低下を続ける状況となっているのが現状だ。

健美家「投資用不動産 市場動向レポート(2016年1月ー3月期)」によると、マンションの区分・一棟オーナーいずれも利回りは下落基調にある。記載されている数値は表面利回りなので、実質利回りはさらに3%程度低くなると考えられる。

 

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出典:健美家「投資用不動産 市場動向レポート(2016年1月ー3月期)

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出典:健美家「投資用不動産 市場動向レポート(2016年1月ー3月期)

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出典:健美家「投資用不動産 市場動向レポート(2016年1月ー3月期)

 

民泊で空室を満室の収益物件へ

利回りの低下が今後回復する見込みを立てることは難しい状況だ。日本の総人口が減少を続けている一方で、箱となる家が増加をしている。これからも新しい家が建ち、古い家は現在よりも空室率が上昇していくだろう。

オーナーは何をすれば空室を改善することができるのか?

その解決策の1つが、民泊だ。民泊とは簡単に言うと、旅館やホテルのように宿泊者に部屋を提供すること。
2000年頃から増え始めたウィークリー、マンスリーマンションをより短期間にしたもので、短期間であるため単価を高く設定しても需要があり、いま外国人観光客から「民泊」の人気が高まっている。

民泊の運営には「旅館業」の営業許可が必要となる。

 

特区民泊とは

東京都大田区では、旅館業営業許可を得るための要件が緩和され、民泊への参入ハードルが下げられている。
※今後は大阪市、千葉市、北九州市が特区民泊の条例が制定、施行される予定

特区民泊の許可を得るためには、大田区へ申請し、決められた審査基準を満たす必要がある。

参考記事:「特区民泊とは?

 

民泊活用による収益例

民泊施設へ旅行者はどうやって集めるのか?

旅行などで一般的に利用されることが多い「楽天トラベル」「じゃらん」などとは異なり、「Airbnb」という民泊専用の予約サイトに部屋・家の情報を宿泊施設として掲載し、宿泊者を募る。

Airbnbに掲載すると、どれくらいの宿泊者が利用し、売上はどの程度か、事例を紹介しよう。

【部屋情報】

地域 東京都豊島区
築年数 30年
間取り 2LDK(45平米)
駅距離 徒歩13分

居住用賃貸で貸し出した場合の家賃は、8万円~9万円

【民泊収支】

宿泊料金/泊 ¥6,500
2人目以降 ¥1,850
平均宿泊者数/組 2
宿泊日数 23
宿泊売上 ¥192,050
清掃代 ¥24,000
売上合計 ¥216,050

※稼働率をおおよそ平均の77%で設定し、宿泊日数23日を算出
※清掃は1回あたり4,000円を宿泊者から徴収、月6回で24,000円

これまでの賃貸経営では月に8万であるのに対し、民泊経営では3倍近い売上が立つことになる。
民泊ビジネスへの参入者が増え、だれでも簡単にという状況ではなくなっているが、上記の水準であれば決して難しいものではない。

民泊を始めるまでに営業許可の取得や、内装手配など様々な工数、費用は発生するが、それでも余りある施策ではないだろうか。

 

参考記事:「最近売上どうですか?