訪日外客数が単月最高257.9万人を記録、各国の増加要因を探る

 

19日、日本政府観光局は「訪日外客数(2017 年 4 月推計値) 」を発表した。2017年4月の訪日外客数は、前年同月比23.9%の増加となる257 .9万人に達し、単月として過去最高の記録となった。ちなみに、これまでの過去最高は 2016年7月229.6万人であった。

 

訪日外客数はなぜ伸びたのか?

訪日外客数は2011年の622万人から毎年大幅な増加を続け、昨年2016年には2,403万人と5年間で約4倍と飛躍的な伸びを見せている。この増加を受けて、「東京オリンピックがあるから上がっているのだろう」「東京オリンピックが終わったあとは下がるのではないか」といった意見を聞くことがある。そうすると、これまでの訪日外国人旅行者は数年先のイベントを見越して、下見として日本へ観光に来ているということだろうか?

爆買い、円安、ビザの緩和など、様々な要因がある一方、訪日客獲得のためのプロモーションの強化や大型休暇の変化など、発表資料から国によって異なる様々な要因が見えてきた。

 

東アジア

− 韓国(前年同月比56.8%増 554,600 人)

日韓路線の増便や機材大型化
チャーター便運航による座席供給量増
熊本地震を受け た訪日敬遠の反動

− 中国(前年同月比2.7%増 528,800人)

クルーズによる訪日が需要を下支え
航空座席供給量は微増に留まる

− 台湾(前年同月比 7.6%増 413,300人)

東北地方を中心と した桜鑑賞や立山黒部アルペンルートに人気
座席供給量が前年を下回っており、訪日者数を抑制する一因となっている

− 香港(前年同月比 64.6%増 209,400人)

イースター休暇が本年は4月に移動した影響が大きい(昨年は3月)
航空座席供給量の増加

 

東南アジア

− タイ(前年同月比5.8%増 138,600人)

訪日旅行のピークシーズンであるソンクラン(タイ正月)前後に向けた施策が奏功

− シンガポール(前年同月比15.8%増 35,400人)

3月~4月の桜シーズンに向けて、現地のOTAや航空会社と連携したPRが奏功

− マレーシア(前年同月比13.6%増 43,200人)

桜や 立山黒部アルペンルートが人気、多くのツアーが造成・販売された
継続的なメディア支援や事業者向けセミナーなどの成果あり
桜鑑賞を旅程 に含む旅行商品については、地方都市に滞在するツアーが増え、内容の多様化・深度化が進む

− インドネシア(前年同月比45.0%増 45,200人)

旅行博などで各社が販売した安価な航空券の売れ行きが好調
本年は日並びが良く4月中に3連休が3回あったことも寄与

− フィリピン(前年同月比47.8%増 62,000人)

イースター休暇が本年は4月に移動した影響
共同広告や旅行博への出展、インフルエンサーの招請なども奏功

− ベトナム(前年同月比14.0%増 38,900人)

桜鑑賞を目的とした訪日需要の高まり
訪日旅行ピークシーズンに合わせたツアー造成・販売が好調

− インド(前年同月比25.2%増 14,500人)

外国旅行のピークシーズンとなる学校休暇が一部地域で開始
この時期に向けた訪日旅行プロモーションが訪日意欲を喚起

 

2020年以降も期待できる訪日需要の伸び

上述の通り、訪日外客数の増加は東京オリンピックに向けた需要ではなく、訪日客増加に向けた意図的な取組み・施策の成果なのだ。当然、2020年にはこれまでに無いほどの訪日外客数が押し寄せる「特需」が発生するだろう。しかし、それはあくまで一過性のものであり、観光地としての日本の魅力は継続的に上昇し、2020年以降も観光地としての日本は引き続き成長していくと考えられる。

 

参照:「訪日外客数(2017 年 4 月推計値)