Airbnbの2017年最新動向まとめ

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民泊事業に取り組む上で、ゲスト集客の要である予約サイトの動向を把握しておくことは非常に重要である。常に新しい試みを続けている Airbnb は何を目的に、どのような取り組みをしているのだろうか。リリース情報をまとめ、狙いを探る。

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Airbnbの取り組み

Airbnbが東京大学と共同研究を開始

2017年1月12日、Airbnbは、民泊における社会課題解決の可能性について、東京大学と共同研究を開始することを発表した。民泊が都市の再開発や空き家対策、地方創生、中心市街地活性化などにおいて、どの程度有効的に活用ができるかについて共同研究を行い、日本の社会課題を解決に向けた糸口を探ることが目的であるとしている。以下は発表時に想定しているテーマとして記載されていたもの。

  1. 民泊の定義の明確化
  2. 民泊を活用した都市再開発・空き家対策・地方創生・中心市街地活性化手法の検討
  3. 民泊の地域への効果的な導入において必要となるサービス・技術開発
  4. メガイベントや災害など非日常時における民泊の効果的な活用方法
  5. 上記の取り組みが進んだと仮定した場合の2020年における経済波及効果予測

研究結果については今月に中間発表、来年2月に最終報告がされる予定。

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ユニークな既存宿泊施設との取り組みを強化

2017年2月23日、Airbnbは、旅館やホテルなどの既存宿泊施設との取り組みを強化するとし、「NEST INN HAKONE」(神奈川県足柄下郡箱根町)、「柴又FU-TEN Bed & Local」(東京都葛飾区)、NPO法人アーキペラゴ(香川県高松市)との提携を発表した。この提携により、各施設がAirbnbに掲載され、施設が提供する体験とともに予約をすることが可能になった。

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日本のトリップ・プラットフォームを拡張

​2017年3月21日、Airbnbは、日本のトリップ・プラットフォームを拡張し、東京に加え、大阪での「体験」のサービスと、東京の「ガイドブック」の機能を追加することを発表。東京の「ガイドブック」機能を提供開始し、50人のエキスパートのおすすめを、約450カ所の情報と共に紹介。さらに大阪での「体験」の予約受付を開始した。

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ホームシェアリングラボを日本で初めて福岡に設立

2017年5月19日、Airbnbは、ホームシェアリングラボを日本で初めて福岡に設立したことを発表。ホームシェアリングラボは、地域にこれまでなかった新しい付加価値の創出を実現するための「実験室」となることを目指す。

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スウェーデン、国全体をAirbnbに掲載

スウェーデンの公式観光機関Visit Swedenは、Airbnbと提携し、国全体をAirbnbのリストに掲載することを発表した。スウェーデンでは公有の土地はすべて誰でも自由に立ち入ることができるため、Airbnbから正式な予約なしに滞在先が見つけることができる。

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Airbnbの狙いを考える

民泊の啓蒙活動

日本において、民泊に対する印象は決して良いものではない。テレビで「民泊」という言葉が使われるのは、民泊利用者を原因としたトラブルや近隣住民からの苦情を報道するような時ばかりであり、ホテルなどの既存宿泊施設では体験できないユニークな側面を取り上げた情報はほとんどでてくることはない。

Airbnbは東京大学との共同研究により、民泊がどれだけ社会課題の解決に貢献できるかを証明しようとしている。福岡に設立されたホームシェアリングラボは、地域にこれまでなかった新しい付加価値の創出を実現するための「実験室」となることを目指すとし、これも民泊の価値を探る取り組みだと考えられる。

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掲載施設のバリエーション強化

これまで掲載施設の中心は民泊であったが、最近では旅館やホテルにも対象を広げている。従来の民泊と、旅館・ホテルの間にある共通点は「ユニークさ」だ。どんなものでも掲載していくという方針ではなく、あくまで民泊と同様に、何かしらのユニークな特徴を持っている施設に限られる。OTA(online travel agency) にとって、ユーザーに継続的に利用してもらうためには安定した新規コンテンツの供給が必須であるため、今後もこうした掲載施設のバリエーション強化は進められていくのではないだろうか。

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Airbnbは民泊市場のリーダーとして、民泊そのものの普及に向けた土台作りを日本だけではなく、世界中で展開している。本来、民泊は遊休資産を有効的に活用ができる上に、利用者はこれまでになかった新しい体験を得ることができる、非常に優れたものだ。しかし、無秩序に拡大させてしまった弊害として、民泊物件増加による家賃高騰や近隣住民とのトラブルなどの負の側面を生み出してしまったのも事実。今後も市場が成長していくためには、各ステークホルダー間の交通整理が必要だ。誰にとっても100%納得がいくような折衷案は難しいかもしれないが、民泊が不当に圧迫されず、市場が成長していくことを期待したい。

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参照:「Airbnb, 民泊における社会課題解決の可能性について東京大学と共同研究を開始
参照:「Airbnb、ユニークな既存宿泊施設との取り組みを強化
参照:「Airbnb、日本のトリップ・プラットフォームを拡張
参照:「ホームシェアリングラボを日本で初めて福岡に設立
参照:「スウェーデン、国全体をAirbnbに掲載